【異常気象??②】大雨による河川氾濫の本当の理由
大雨による河川の氾濫のニュースをよく目にするようになりましたね。
尊い命が失われてしまったり、家を失ってしまう人が多くいることは、本当に残念で悲しいことです。
そして誰もが他人事ではなく、いつ自分がその被害にあってしまってもおかしくありません。
どうしたら氾濫を防ぐことができるのか、さらには命を守るためにどうしたらいいのかを、しっかり考えていかなくてはならないと思います。
<「温暖化が原因」は嘘>
温暖化が異常気象を発生させていることが原因だという説がありますが、これは本当に意味不明です。
温暖化原因論の流れは以下の通りです。
温暖化により気温上昇
↓
空気に海水が温められ水温上昇
↓
海水が水蒸気になる量が増える
↓
雨がたくさん降る
おいおい、正気か??
というレベルです。
温暖化により気温が上がったら水温も上がるなんてこと本気で言っているのでしょうか。
水温はそんなに簡単に上がりません。
風呂を考えてみてください。
浴槽に水がはってあって、浴室に暖房をかけて気温を上げて水温が温まるでしょうか。
はい、温まりません。
ですから温暖化で水温はそうそう上がりません。
「温暖化」「異常気象」というものを原因に仕立て上げることで、利権を手にしたり、都合の悪いことを隠そうとしているとしか考えられないですね。
<河川氾濫の原因>
河川の氾濫の原因として、雨や台風の増大ということもあるかもしれません。
そして、氾濫による被害が広がってしまう原因として居住地域がリスクの高いところに広がっていることや、高齢化のために逃げられないことなどもあるでしょう。
様々なことに対してアプローチする必要があるでしょう。
しかし、最大の原因は河川整備の遅れであることは間違いないでしょう。
いわゆる治水行政が足りていないのです。
2019年時点で、全国の堤防の目標への達成率は7割程度と言われています。
堤防の大きさが目標に達していなかったり、そもそも堤防がなかったりする区間が3割あるということです。
国は200年に一度の水害に耐えられるレベルの堤防を、20~30年を目標に整備していくという方針のようです。
200年に一度というのが、どれだけ正確に想定できているのかということや、20~30年をめどにしていることなどが問題ないのかなど、色々と議論の余地はあると思います。
しかし最大の問題は、「なぜ河川整備が遅れているか」ということです。
日本は自然災害大国です。
歴史的にも自然災害と戦い続けてきた国です。
自然災害に襲われることは、必然です。
自然災害は国民の命や生活に直結することです。
それなのに自然災害に対しての対応が遅れているのです。
とんでもなく不十分なのです。
おかしくないですか? これは政府の責任でもありますが、私たち国民の責任でもあるのです。
<なぜ河川整備が遅れているのか>
結論から言ってしまうと、河川整備の遅れの犯人は「緊縮財政」です。
さらに言えば、河川整備だけでなく、土砂災害なども含めた自然災害への備えが不十分なのは緊縮財政のせいです。
緊縮財政を簡単に言えば、国の収支を黒字化するために公共事業などを減らして、国の出費を減らすようなことです。
経済の仕組みを理解していれば、黒字化する必要などないことは明白なのですが、そのあたりを学びたい場合は「0から学ぶ経済の仕組み」を参考にしてください。
平成の間、国(政府)は支出を抑えるべく公共事業を減らして、増税を繰り返してきました。
その結果、自然災害大国である日本の自然災害への備えが疎かになってしまったということです。
日本は、河川整備を含めて自然災害への守りはどんどん弱くなってしまっています。
当然堤防などの既存のものも老朽化していきます。
どんどん手を加えなくてはなりません。
環境も変わります。
どんどん改善しなくてはなりません。
それなのに、河川を整備したり、土砂災害の恐れがあるところに対応したり、津波の恐れがあるところへの防波堤の設置などが全く不十分なのです。
つまり緊縮財政で公共事業の予算を減らすことによって、自然災害への備えの工事が十分にできず、日本はどんどん自然災害に弱い国になっているのです。
国民の安全が失われているということです。
これは政府の責任であることは間違いありませんが、政府だけの責任ではありません。
国民の責任でもあります。
公共事業で道路工事をしていたりすると、「国が無駄遣いをするな!」「税金を無駄にするな!」などと的外れな反発をし続けてきたのは国民です。
「無駄」とは何でしょうか?
平時の時に要らないものが「無駄」なのでしょうか。
災害などの緊急時にのみ効果を発揮するものは「無駄」なのでしょうか。
少なくとも人々の命や生活の安全を守るものは、平時ではなく緊急時に対応できる状態にしておくべきなのです。
それが平時に無駄だったとしても。
結局、水害で被害が多発している現状は自然災害というよりも、自然災害への備えを疎かにし続けてきた「人災」だと言っていいと思います。
そしてそれは政府と私たち国民の責任です。
<氾濫する理由>
最後に河川が氾濫する理由について軽く説明します。
もちろん雨の量が増えたなどの理由もあるかもしれませんが、そのような不確定なものではなく、構造上氾濫はどんどんしやすくなります。
河川は山から流れてきます。
水と一緒に土や砂や石も流れてきます。
それらが川底に沈殿するのです。
つまりは川底の高さは時間と共に上がっていくということです。
そうすると川の水面も上がりますよね。
現在も居住地よりも川の水面の方が高いところはたくさんあります。
そうすると水面の上昇に合わせて、どこまでも堤防を高くしていかなくてはならないのです。
ですから、堤防を高くするのも大切ではありますが、根本的には川底の土砂をさらって、川底の高さを低くしなくてはならないのです。
ただ当たり前なのですが、堤防を高くすることも川底を低くすることも、個々の力ではどうしようもありません。
国(政府)がやらなければ達成されません。
とすると残念ですが、個人として水害による被害を受けなくするには、「危険な場所には住まない」ということくらいしかないのかもしれません。