頭の悪い政治家
2020年4月にコロナ対策として、全国民に一律一人10万円の給付することが決まりました。
それまで政府が予定していた、収入が半減して住民税非課税世帯にのみ30万円を世帯ごとに給付をする、という冗談みたいなふざけた給付に比べればいくらかマシにはなりましたね。
もちろんそれでも一人10万円なんて給付では全く足りないことは間違いありません。
ゴールドマン・サックス証券は日本の2020年4~6月期のGDP成長率がマイナス25%になると予想しています。
これはデータをさかのぼれる1955年以来最悪の落ち込みになります。
日本のGDPは年間で約500兆円ですから、仮に年間で25%と考えた場合は120~130兆円レベルの損失が出るということになります。
1人10万円だとすると約12兆円の財政対策ということですから、どう考えても足りないですよね。
ただ今回はそのことよりも、10万円の給付を辞退すると言っているアタマの悪い政治家などがたくさんいることについて書きたいと思います。
政府では閣僚、副大臣、政務官の政務三役は受け取りを自粛することを申し合わせたようです。
自民党も国会議員全員が受け取り自粛をするようです。主要な野党は受け取ったうえで寄付する方向のようです。(寄付先はわかりません)
地方自治体の政治家(知事や市長など)でも受け取り辞退する意向を表明している人もチラホラいます。
寄付については寄付先によっては有効な使い方になるかもしれませんが、受け取り自粛をする政治家や、「お金に困っていない人は受け取るべきではない」と言っているようなテレビのコメンテーターは、全く経済について理解できていないとしか考えられません。
いや、間違いなく理解していないのでしょう。
そんな連中が政治家をやっていたりテレビで分かったような顔をして色々と国民を洗脳しているわけです。 世も末ですね・・・・
誰かの支出が誰かの収入
そもそもGDPが25%下がるということは、言ってみれば国民の収入全体が平均して25%下がるということです。もちろんもっと大きく下がる人もいればあまり下がらない人もいますが、平均したら25%下がることと同義なのです。
基本的には給付金はその減少分を補填するためのものです。
足りませんが・・・・
そして大切なのはお金を配ることが本来的な目的ではありません。
個人的な安心感などは除いて、お金本来の役割として考えてみれば、お金は使われなければ意味がありません。
お金というものは流れることで機能を発揮します。
誰かがお金を使うこと、つまりは誰かが支出することで誰かの収入が発生します。
つまり、お金というのは
誰かが支出をしなければ誰かの収入にはならないのです。
経済の難しい話を理解していなくても、誰かがお金を使わなければお金はまわらず誰かの収入にならないことは理解できると思います。
お金というものは、人間で言えば血液のようなものです。
血液が滞ったり供給されなければ、人間は死んでしまいます。
同じようにお金が流れなければ経済は壊れてしまうわけです。存在するだけでは意味がないのです。 こんなことは経済の初歩中の初歩です。
給付金の使いみち
1人10万円の給付金を貰って皆さんはどうしますか?
仮に4人家族なら40万円です。自粛要請への保障としての財政対策の総額としては全く足りませんが、家庭で見た時にはそれなりに大きい金額ではありますね。
給付金の使いみちについては人によって違うとは思いますが、この先が全く見えない状況において、無駄遣いをする人はそうそういないと思います。
収入が途絶えてしまったり減少してしまった人は、節約しながら当面の生活費に充てるでしょうし、そうでない人は大半がこの先に備えて貯蓄するのではないでしょうか。
これらの行動・判断は個人にとっては非常に合理的で間違っていないと思いますし、そうするべきだと思います。
しかしお金というのは先ほど述べた通り、使って流れなければ経済はまわらないのです。
但し、元々お金に余裕のある人たちであればどうでしょうか。
お金に余裕がある人であれば、給付金をボーナス的にとらえて消費に回す可能性が高いのです。
そのように消費に回ったお金は流れることによって、皆さんの収入に変わっていきます。
- 「富裕層には給付するべきではない」
- 「お金に余裕がある人は給付金をもらうべきではない」
このようなことを言っている人たち(特にアタマの悪いテレビのコメンテーターたち)は、このようにお金に余裕のある人に給付したお金が流れて、一般の人たちの収入になるという経済の仕組みを理解していないか、もしくはわかっているにもかかわらず、人気を得るために言っているくだらないポピュリストです。
結局、政治家や富裕層は給付金を貰うべきで、そしてそれを使うことが日本経済を少しでも悪くしないようにする最善です。
いらなくても貰わなければそのお金は国庫に溶けてしまい、経済市場には流れません。
つまりは国民の生活は良くならないということです。
いらなくてもとりあえず貰って使う
これを徹底するべきです。 というかそれ以外の選択肢はそもそもありません。簡単なロジックです。
くだらないポピュリズムが横行する理由
お金を使って回した方がいいのはわかっていても、給付金受け取り自粛という馬鹿げた行為をして人気を得ようとしているエセポピュリストは多くいると思います。
このようなエセポピュリズムが横行する理由は明確でシンプルです。
「国民がそれを望むから」に他なりません。
本来は給付金を政治家や富裕層も受け取って、そのお金をどんどん使った方が国民の生活は豊かになります。
にも拘らずそれを理解しない国民自身が、政治家などの給付金の受け取り自粛を望んで評価して、結果自分の首を絞めているのです。
国民が政治家などの給付金の受け取り自粛を望むことや、さらには国会議員の給与削減を望むのは、無知からくるものであり、ただの感情論で合理性は全くありません。
そりゃそうです。自分の首を絞めているのですから・・・・・
無知は罪だと思います。 自分だけの首を絞めるのは勝手ですが、理解していて正しい主張をしている人や全く罪のない子供達をも巻き沿いにするのは勘弁してもらいたいものです。
こんな時によく聞く財政破綻論
このようなことを言うと、必ず言われるのが
- 「国家財政は破綻しそうなのだから、貰わなくて済む人は貰うべきではない」
といった的外れな意味不明の意見です。
このようなことを言う人は政治家やテレビのコメンテーターにもたくさんいますが、経済の基本すらわかっていない完全な素人だと言っているようなものです。
日本は財政破綻しない
当たり前の事実です。コロナ対策で仮に赤字国債を発行して100兆や200兆を給付しても全く問題ありません。絶対に破綻しません。
そんなことよりも世の中にお金が流れないことが問題なのです。
財政破綻しない理由などはここでは割愛し、また別の機会に書きますが、当たり前の事実なのです。
日本のように自国通貨で成り立っている国家が財政破綻する可能性は限りなく0です。
というか0です。 これをわからない人は経済を何もわかっていないということですので、余計なことは言わないほうがいいですね。