【医療を診る①】医療が変われば社会は変わる

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【医療を診る①】医療が変われば社会は変わる

現在の医療は残念ながら、間違った方向に進んでしまっています。

間違った方向に進んでしまっているのは、医療従事者だけでなく患者にも原因があります。
つまり、世の中ほとんどの人が原因です。

  • ・医療とは何なのか
  • ・医療の目的は何か
  • ・医療の担い手は誰なのか

このようなことを、本質的に理解している人はほとんどいません。

医療が間違った方向に進んでいることで、社会全体にも大きな歪みが生じてしまっています。もちろん社会に存在するすべての問題が医療に関わっているわけではありませんが、数多くの問題が医療と関りがあります。

逆に言えば、医療が正しい方向に向かえば社会を良くすることができるのです。

考えてもみてください。

仮に多くの人が健康を維持できていて、高齢になっても病院にかからなくて済むようであれば、世の中はどのようになるでしょうか。
医療費の支払いを大きく縮小できれば、「長生きリスク」を心配する必要は減り、「老後資金の問題」も解決に大きく前進しますよね。
それによって社会保障費の問題も解決に近づき、若い世代の負担もかなり軽減されます。

さらには高齢になっても元気なのですから、少子高齢化による労働力不足の問題も解決に近づきますね。
そして何より、いつまでも健康でいられれば人生楽しく豊かに過ごせそうですね。

健康

これだけ考えても、なかなか良い世の中だと思いませんか?

私は歯科医師ですが、医療従事者の端くれとして医療について思うことが多々あります。
歯科医師になったばかりのころと比べて、様々な現実を目の当たりにし、医療に対する考え方も変化してきました。
これまでの歯科医師人生を振り返りながら、現在の医療を診ていこうと思います。
さらには診て悪いところを指摘するだけではなく、どのようにしたら改善できるか考えていこうと思います。

医療の改善は社会の未来を明るくすることの一助になるはずです。
つまりは、皆さんの未来を明るくすることに役立つはずです。

医療の目的はなに?

皆さんは「医療」と聞くと、どのようなイメージがありますか?病院などでの治療を想像する人がほとんどではないでしょうか。
医療は医師などの医療従事者が行うものというイメージですよね。

はっきり言ってしまうと、これは間違った認識です。
この間違った認識をほとんどの患者だけでなく、ほとんどの医療従事者がしています。

そりゃ医療が間違った方向に進みます・・・・・

そもそも医療の本来的な意味は

  • 人間の健康の維持・回復・促進などを目的とした諸活動

です。

病院での治療だけが医療ではありません。
治療・予防・食事や運動や睡眠といった生活習慣などすべてが、広い意味では医療になります。

では医療の目的とは何でしょう?

当然「病気やケガを治すこと」ではありません。
医療の本来的な意味を考えれば明白ですね。

医療の目的は「健康」です。

さらに言えば、健康の目的は「豊かな人生」です。
つまり最終的な目的は「豊かな人生」で、「豊かな人生」という目的を達成するための様々な手段の中の一つが「健康」です。

さらにその「健康」を得るための手段が、「医療」だということです。
そして「医療」は、治療だけでなく、健康のための行動全般のことなのです。

ほとんどの人が理解できていないことですが、まずはここを明確に理解する必要があります。

医療の目的

手段が目的化してしまっている

残念なことに現在の医療は、手段が目的化してしまっています。

手段が目的化してしまっているのは、医療だけの話ではないですね。
様々な分野において、手段が目的化してしまっていることが非常に多いです。

お金なんかはいい例ですね。

お金というのは、人生の選択肢を増やすことができ自由を得るための手段です。
つまり人生を豊かにするための手段ですね。

お金

豊かな人生というのは人によって違いますから、当然必要なお金も人によって違います。
いくら収入が増えたり資産が増えても、自分の時間が全くなく不自由な人生であれば意味はありません。
にもかかわらず、とにかくお金はあったほうがいいと考える人が非常に多いですよね。
手段であるお金が目的になってしまっているわけです。

まさに手段の目的化ですね。

医療に話を戻しましょう。

医療の目的は健康、健康の目的は豊かな人生でしたね。
ということは、最終的には医療の目的は豊かな人生です。
医療は豊かな人生を送るための、数多くある手段の中の一つでしかありません。

そして治療はその医療の中の一つでしかないですよね。
治療を受けることが目的ではありません。

おこるクマ

そんなこと知ってるよ!!

このように思われる人も多いかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。

もう少しわかりやすく言うと、「治療を受けて治すこと」が目的になってしまってはいないでしょうか。

健康が目的の手段である医療には、治療以外にも様々なものがあります。予防や食事や運動や睡眠などですね。

まずはこれらのことに対してアプローチをすることが重要で、治療はやむを得ない場合にのみ手段として用いるものです。

さらには治療という手段を用いる場合も、そもそも治療を受けるか受けないかという選択肢が存在します。
お金をかけて苦しい思いをして、治療を受けることだけが絶対的な正解ではないのです。

人によって異なる「豊かな人生」がどのようなものなのかによって、正解が変わってきますよね。

自分の医療を変える

まずは今持っている医療の概念を壊しちゃいましょう。

「医療=治療」ではありません。

あくまでも治療は、医療の中での最終手段です。
当たり前ですが、誰もが治療を受けずに健康を維持できればその方がいいですよね。

医療の概念

医療の大半は、病院ではなく自分で行うものなのです。
つまり医療の担い手は、医療従事者だけでなく、皆さん自身を含めた全員です。
むしろ医療従事者の占める割合よりも、皆さん自身の占める割合のほうが圧倒的に大きいです。

このことを理解するだけでも、皆さんの健康はぐっと近づいてきます。

そして医療従事者でこの理解ができていない人は、恥じるべきことです。

理解できていない医療従事者ばかりですが・・・・

しかしこのことを誰もが理解し実践するようになれば、確実に医療は変わります。

そして社会は良い方向に向かいます。

今後は私が歯科医師人生で感じたことや考えたことなどを振り返りながら、医療が間違った方向に進んでいる理由と、医療を変えることを考えていきます。
皆さんも一緒に考えてみて頂けると幸いです。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。