東京一極集中のリスク

社会

東京への一極集中化は、年々進んでいます。東京が占める日本全体に対する人口の割合は約1割、GDPの割合は約2割となっています。

また東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)で見た場合には、人口は約3割、GDPは4割弱になります。世界的に見ても、東京ほど集中が進んでいて規模が大きい都市は存在しません。

東京圏を世界の国別GDPランキングに当てはめてみると、カナダやロシアと同等になり、世界11位に相当します。もはや、東京は国家レベルということです。

しかし、このような東京一極集中は、日本にとって非常に大きなリスクでもあります。様々なリスクはありますが、最大のリスクは「首都直下型地震」です。

日本は世界屈指の自然災害大国

日本は、世界でも屈指の自然災害大国です。地理的に恵まれている要素が非常に多い分、自然災害という面では大きなリスクを抱えているのです。

日本の政治の歴史は、治水工事をはじめとして自然災害との戦いでもありました。そして、それは現在も同様です。

ですから、日本は自然災害を受けることを前提として、国づくりをしなくてはなりません。しかし、特に地震に関しては解明されていないことが非常に多く、予測などはほとんど不可能なのが現状です。

そして現在、いつ起こってもおかしくないとして危惧されているのが「首都直下地震」です。関東地方の南部には、歴史的に繰り返しマグニチュード7級の大地震が起こっていて、今後いつ起こっても不思議ではありません。

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東京が崩壊したら日本が麻痺する

首都直下地震など、東京やその近郊に大地震が発生した場合、甚大な被害になることは確実視されています。2011年の東日本大震災が東京で起ったと考えれば、その被害はとんでもないことになるのは間違いありませんね。

そうなれば、東京の機能は停止するか、大幅に低下してしまいます。東日本大震災の時も、相当のダメージを負いましたから、それが東京で起こればその何倍ものダメージが発生します。

そこで問題になるのが、東京のダメージを日本の他の都市がカバーしきれないということです。日本の心臓である東京が停止してしまえば、それを支えることはできないわけです。

日本全体が麻痺してしまいかねないのです。これは、東京一極集中が進めば進むほど、深刻な問題になります。

都市の間引きが必要

現代の科学では、地震を防ぐことはできません。建物を耐震や免震構造にしたり、様々な自然災害への備えをすることは重要ですが、それでも地震の被害を無くすことはできません。

大災害が起こった時の被害は、想定して覚悟しておく必要があるのです。そして地震に限らず、大きなダメージを負った時に最も重要なのが

  • いかに災害後に回復するか

ということです。最悪なのが、再起不能になることです。

再起不能にならず、回復が出来れば全体としては再スタートが切れます。相手が自然災害であり日本が地震大国である以上、完全な対策というのは存在しません。

被害を最小限にとどめる対策をしつつ、大きな被害を受けた後のことを考えておく必要があります。リスクヘッジをしておかなくてはならないということです。

そして

  • リスクヘッジの基本は分散

です。

仮に、東京に日本中の全ての人と技術と富などが集中していれば、東京が崩壊した時点で日本は終わりです。しかし、それらが日本中に分散していれば被害は最小限で済みますし、周りのサポートで東京が回復することも可能になります。

ですから

  • 人や技術や富などを日本中に分散しておく

ということが重要なのです。しかし、日本は今後高齢化が進み、人口も減少していきます。

現状を維持することは不可能です。消滅する自治体や都市はどんどん増えていくでしょう。そのような場所に住んでいる人たちは、自分の故郷を守りたいと思うかもしれません。

そのために、国などに援助を求めるようなことも多々あります。しかし、残念ながらすべてを救うことなどできません。

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人口は減っていくので、消えるべき都市は消える必要があります。災害へのリスクヘッジという意味でも、人口が少なく経済活動などが繁栄しないような都市は、あまり意味がありません。

必要なのは

  • 多くの人口や、充実した産業や技術を持った経済力のある都市

なのです。

つまり日本の各地方に、中核都市として大都市が必要なのです。札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡などが代表的ですね。

これらの都市が東京に匹敵するような規模に成長することが重要です。そしてその周りに、それらの都市を支えるように中程度の都市が配置されるイメージです。

そのためには、人口減少が止まらず高齢化が進み独自の産業を作れない都市は、消えていく必要があります。感情論として自分の都市を守りたいというだけでなく、全体として見た時のことも考えなくてはなりません。

全体として見たら、そのような亡霊のような都市が残り続けることこそが、リスクを高めてしまうのです。

まとめ

  • ・東京一極集中の最大のリスクは、首都直下地震
  • ・東京が崩壊したら、日本全体が麻痺する
  • ・地方の都市を間引きし、中核都市を分散させる必要がある

地方創生という言葉が独り歩きしていますが、衰退している都市をどこでも助ければ良いというわけではありません。

自力で産業を作れず、人口を集められない都市は自然淘汰されるべきなのです。僅かな人口のために、インフラを整備しマンパワーとお金をかけることは、日本全体にとっても脆弱化に繋がります。

補助金がないと生き延びられないような都市は、消えるしかないのです。 多くの都市が消える分、強い地方都市が日本中に点在することこそが、災害大国日本に必要なリスクヘッジです。

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