地域再生・町興しに必要なもの
超高齢社会
日本の人口は2008年の1億2808万人をピークに減少に転じていて、2060年には9000万人を割り込むと言われています。また少子高齢化も進み2060年には高齢化率は40%に近づくと言われています。
更には近年、特に若い世代の東京への人口の一極集中に拍車がかかっていて、今後地方は少子化や人口減少がより一層進むことが確実と思われます。
人口減少・少子化が進み存続できない可能性がある自治体を「消滅可能性都市」と呼び、全国市町村1799のうち半数近い896の市町村が消滅可能性都市とされています。
この状況に対して地方創生・地方活性化・地域創生などが叫ばれるようになり、言葉としても定着してきました。地方創生は国としても掲げている目標であり、地方を活性化させ、人口の首都圏への集中を食い止め、日本社会全体を活気あるものにすることを目指しています。
しかし近年拍車がかかっているとはいえ、以前から多くの地方都市での若者の流出・少子高齢化・人口減少は存在し、これまでも多くの地方都市の人々が地域再生・町興しを目指してきました。
結果としては、数少ない成功ケースに対して失敗ケースが大半だと思います。 そして今後も人口減少・少子高齢化が進む中で多くの消滅可能性都市が衰退し消滅に向かっていき、少しの都市が生き残っていくでしょう。
残念ながら人口減少・少子高齢化は止めることはできませんので、全ての地方都市が再生し人が集まることはあり得ません。絶対的に人数が減る以上これはどうしようもない事実です。そして生き残りをかけた戦いに勝ったところのみが消滅を免れるのです。
力のあるところのみが生き残りる
では再生に成功するケースと失敗するケースでは何が違うのでしょうか。
- ・シンプルに自力で活性化することができること
- ・少しの国の援助でそれをきっかけにしてその後は自力で活性化することができること
以上が再生に成功する条件だと思います。延々と国から補助金や交付金をもらわなくてはやっていけない自力のないところは、当然再生は不可能ですし補助金や交付金はいつまでももらえるわけではありません。
人口減少・少子高齢化は日本全体として進んでいることである以上、全てを救うことなどできるわけもなく、選定していかなくてはならないのです。自力のないところはいくら援助しても結局淘汰されます。
そして自力で再生するためには人を呼べるようになり人口が増えることで税収が上がらなくてはなりません。人を呼ぶためには雇用が存在する必要があります。
つまり地元への愛着をもった人が地元で起業をすることで雇用を作り人が増え、税収もあがり活気がでることが必要不可欠だと思います。
外からやってきた人が起業するのもあるとは思いますが、愛着がなければいつ出ていくかわかりません。もっと良い条件がそろう場所が見つかればそこにいる必要がなくなります。
ですから地元に愛着を持った地元の人が起業するのが一番良いのだと思います。結局自分たちの手で状況を変えていかなければ何も変わらないと思います。
しかし現在多くの地域再生・町興しを目指す人たちは補助金や交付金に頼っている状態だと思います。上手くいかなければ、「国が何もしてくれなかった」「国は地方にもっと目を向けるべきだ」などと、あたかも上手くいかないのは国のせいで自分たちは被害者だというような主張をします。
そのようなところは消滅することが必然でしょう。高度経済成長期のような人口がどんどん増えてどこでも地価はあがり右肩あがりの時代とは違うのです。
人口が減っていく以上、淘汰されるところがでてくるのは当然でありそのような流れになれば弱肉強食の自然界と同様、力のあるところのみが生き残り力のないところは消えていくのです。
未来の世代を苦しめていることを十分に認識するべき
補助金や交付金をもらい自分たちの努力も足りず文句ばかり言っている人たちは「依存」を通り越してもはや「たかり」です。
そもそも本来的には日本という国のレベルで考えた場合は、財政問題はありませんので、補助金や交付金を出すことが国としての財政破綻につながるようなことはありません。
しかし人口が減少していくという事実は揺るぎないものですので、全体としての過疎化は必ず進みます。そしてそこには生き残りをかけた市場競争原理が働きます。 魅力のある所が生き残るのです。
今後消滅都市の選定は自然と進んでいきます。当然反対意見は多く出るはずです。 しかし人口減少・少子高齢化が進んでいけば必然として起こることであり、国民全員が喜ぶ方法は存在しないのです。
そこをよく考えて自分たちのやるべきことを考えて行動しなくてはならないと思います。未来の世代を苦しめていることを十分に認識するべきです。