セカンドオピニオンとは
より良い決断をするため担当医師とは別に異なる医療機関の医師に求める「意見」、または「意見を求める行為」のことをセカンドオピニオンと言います。
このセカンドオピニオンは「診療」ではなく「相談」となりますので、基本的には自費になります。費用は病院によって異なりますが、医科だと3~4万円程度が多いようです。
セカンドオピニオンにはメリットもありますが、全ての場合で必ずしも必須というわけでもありません。
担当医の説明で自身が十分納得できるのであれば特に必要ない場合も多いと思います。
セカンドオピニオンの流れ
目的を明確化する
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セカンドオピニオンを受ける病院を決める
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担当の医師にセカンドオピニオンを受ける意思を伝える
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紹介状・診断情報提供書・検査結果などをもらう
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セカンドオピニオンを聞きに行く
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治療する病院を決める
(まだ納得できない場合はさらに他の病院にも相談をする)
このような流れになります。
セカンドオピニオンで何を聞きたいのかを明確にしましょう。
あくまで診察ではなく相談なので、担当医の提案した治療が妥当か、他に治療の選択肢があるかなど内容を明確にしなくてはなりません。
そして最も大切なこととして担当医に必ずセカンドオピニオンを受ける意思を伝えましょう。これは言いにくいこともあるとは思いますが、患者さん自身のためにも必ず言ったほうがいいです。
診断する上で情報は命です。紹介状・診断情報提供書・検査結果などを担当医からもらわなくてはセカンドオピニオン先の医師は診断をできませんし意見も言えません。
またセカンドオピニオンも重要なのですが、長年診続けている担当医にしかわからないようなそれまでの経緯もあります。診断情報提供書などにも記載してあるのですが、言葉にできないような感覚的なものもあります。 診断というのはその場のみを切り取ってするよりもそれまでの経緯などを考慮して出すべきものです。そのような意味では長年診続けている担当医がいるとしたらその担当医が一番患者さんのことをわかってくれているかもしれません。
セカンドオピニオンのメリット
セカンドオピニオンを受けることによって受けられるメリットは多くあります。
医師が100人いたら100通りの考え方があります。治療方法にしてもそれぞれの考え方は違います。これは別におかしいことではありません。
治療方法にしてもメリットしかない方法もなければデメリットしかない方法もありません。医師の考え方で診断内容も変わるかもしれません。セカンドオピニオンを受けることによって別の治療方法を知ることができることもあります。
また担当医とセカンドオピニオン先の医師が同意見であればより納得して治療を受けることができるかもしれません。
そしてセカンドオピニオン先で信頼できると思える医師に会えたとしたらこれも大きなメリットです。
セカンドオピニオンにおける注意点
セカンドオピニオンを受けることで多くの選択肢を得られる可能性はあります。
しかしその中から医師ではない自分自身が決めなくてはならないのです。
多くの人が勘違いしているのですが、いいことしかない選択肢はありません。
セカンドオピニオンを受けるといってひたすらドクターショッピングのようなものをして自分が望む完璧な治療方法を提案してくれる医師に会えるまで続ける人がいます。
そんな完璧なものは存在しません。
- メリットだけの完璧な選択はない
全ての選択肢にメリットもデメリットも存在します。
選択肢を多く持ち自分で決めるということは実はかなり大変で難しい作業です。
大学で6年間勉強して臨床で経験を積んだ医師たちですら意見がわかれるのです。
つまり医師も主観が必ず入ります。治療方法の好みなどもあります。信じるものが何かということでも変わります。
そしてそれは医師も人間である限り当然ですし、悪いこととも言えません
つまり患者さんが自分で決めるということはどの治療方法が優れているのかを決めるということではないのです。そしてそれは医師でも答えは出ません。
患者さんが自分で決める際に最も重要なのは自分にとって何を優先するかを明確にすることです。つまり自分の中での優先順位を明確にしてそれに沿って決めるということです。
例えばお金、治療期間、侵襲性、入院期間、再発リスクなどです。
それらに優先順位を明確につけ、その優先順位に最も沿った治療方法を選択する以外にありません。
繰り返しになりますが、最も優れている治療方法を自分で選ぶことは不可能ですし、全てにおいて優れている治療方法というもの自体が存在しません。
どの方法もメリットもデメリットもあります。
それを理解しないと話を聞けば聞くほど決められなくなってしまうだけです。