【保険総論】民間保険はいらない?
保険には大きく分けると「公的保険」と「民間保険」の2種類があります。
公的保険は国が運営する保険で、加入が義務付けられています。
入りたい入りたくないに関係なく、日本人全員が加入しなくてはいけません。
- ・医療保険(国民健康保険・健康保険・後期高齢者医療制度)
- ・年金保険(国民年金・厚生年金)
- ・介護保険
- ・雇用保険
- ・労災保険
があります。これらを総じて社会保険と言います。
(詳しくは「0から学ぶ社会保険」参照 リンク)
それに対して民間保険は、加入が任意で公的保険に上乗せして入る保険です。
民間保険は様々な種類の保険があります。
代表的なものとして、生命保険(死亡保険・医療保険・がん保険など)、損害保険(自動車保険・火災保険・地震保険など)、年金保険などがあります。
他にもペット保険や旅行保険などもあり、民間保険は本当に多種多様なものがあります。
ここでは、各々の民間保険の説明ではなく、民間保険全体としての有効性について大まかに説明していきます。
各々の説明は、別の記事であらためて書こうと思います。 結論から言ってしまうと
ほとんどの民間保険は、加入しない方がいい
ということになります。
かなり反感を持つ人が多そうです笑
しかし、このことはマネーリテラシーの高い人は当たり前のように理解していて実践しています。
状況によっては加入した方が良いものも少しはありますが、基本的には民間保険は入るべきではないものです。
このことを理解するために、まずは保険とは何かを理解しましょう。
<保険とは何か>
そもそも保険とは「起こる確率は低いけれど、いざ起こってしまうと、どうしようもなくなってしまうものに対して備えるもの」です。
まさに、いざというときの備えです。
自動車事故がわかりやすいと思います。
自動車を運転して人を轢いてしまい死亡させてしまったとしたら、刑務所に入って罪を償うと共に、慰謝料を支払わなくてはなりません。
死亡させてしまった場合、数千万円~数億円の慰謝料を払うことになります。
一般的には、罪を償うために服役してさらにその金額を支払うことは非常に難しいですよね。
どうしようもなくなってしまう可能性が高いのです。
だからこそ、このような場合には保険による備えが必要になります。
少しずつの金額をたくさんの人から集めて、確率は低いけれど大変なことが起こってしまった少数の人に大きな金額を支払うのが保険なのです。
保険料を支払う人の数に対してお金を受け取る人の数が非常に少ないことが条件になりますね。
つまり「大変な事」が起こる発生確率が低いことが条件ということです。
逆に言えば発生確率が高いことに対しては、保険は有効ではないということです。
当たり前ですよね。
<民間保険のほとんどがいらない理由>
いらない民間保険の代表例と言えば、「医療保険」や「年金保険」などです。
各々の細かい理由は様々ありますが、ここでは大枠で説明します。
病気に備える医療保険や、老後に備える年金保険に共通して言えることは、発生確率が高いということです。
というよりも発生するのが当たり前であることだということです。
歳をとらない人はいません。
そして歳をとったら、ほとんどの人が何かしらの病気などになります。
つまりは、保険が有効であるための「発生確率が低い」という前提条件を満たすことが不可能ということです。
たくさんの人でたくさんの人へ備えるわけです。
当然「大変なこと」が起こっても、少額しか受け取れません。
保険の意味がありません。
貯蓄する方がはるかに効率的です。
貯蓄ではなく保険で備えるのは、ただ損をしているだけです。
なぜ損をするのかは、民間保険と公的保険の構造を比較してみると明白です。
<民間保険と公的保険の構造>
一目瞭然ですよね。
民間保険では、多くの人から集めたお金(保険料)から手数料を保険会社が抜きます。
当たり前ですが保険会社も利益を確保しなくてはならないですからね。
というよりは、利益を出すことが会社の目的です。
当然保険会社も例外ではありません。
つまりは加入した人全体で集めた保険料よりも、受け取れる金額の方が確実に小さくなるということです。
芸能人がでている保険会社のCMがたくさんテレビで流れていますね。
保険会社に勤めている人は高給取りで、会社の場所も一等地の立派なビルです。
それらにかかるお金は、皆さんから集めた保険料から抜かれて支払われています。
この時点で損するのは確定ですね笑
それに対して公的保険は、集めた保険料だけでは足りないために税金も投入されます。
運営母体が国なので、利益を出す必要はありませんから、集めた資金からお金を抜くこともありません。
もちろん公的保険は国民全員が加入し、民間保険は希望者のみという前提の違いはありますが、民間保険は全体で見ると構造上、絶対に損する仕組みになっています。
ものすごい割合で保険料から抜かれているんです笑 必ず損する仕組みに、発生確率が高い(むしろ確実に発生する)ものにお金を払うのはあまりに非合理的です。
<数少ない意味のある民間保険>
では全ての民間保険は加入しないほうがいいかと言われたら、そうではありません。
生活環境などの条件次第では、加入した方がいいと思われるものも3つあります。
それぞれ説明していきます。
1.死亡保険
保険に加入している人が死亡した時に、遺族などが受け取れる保険です。
例えば、妻と小さい子どもがいて自分が一家の大黒柱で、遺族がその後生きていくための十分な資産が確保できないような場合にはとても有効です。
もちろん全体としては損する可能性の方が圧倒的に高いですが、非常に低い確率であるものの、起こってしまったら取り返しのつかないことになりますよね。
まさに「もしもの時への備え」です。
年齢にもよりますが、3000~5000円程度で3000~5000万円の死亡保障を得られます。
注意点としては、間違っても貯蓄性のあるものを選ばないことです。
掛け捨てのものにしましょう。
貯蓄型の保険は全て入らないほうがいいです。
2.自動車保険
自動車を運転する人は事故を起こしてしまった時の、対人の保険も入っておいた方がいいと思います。
対人事故で障害を負わせてしまったり死亡させてしまって、保険に入っていないと人生終わってしまう可能性もあります。
3.火災保険
火事を起こしてしまった時に、周りの家や人に被害を及ぼしてしまう可能性があります。
これに対しても自動車保険と同じですね。
人生終わってしまう可能性があるので、保険に入っておいた方がいいと思います。
以上の3つは全て掛け捨てで保険に入ることを考えるべきものだと思います。
3つとも発生確率は低いけれど、起こってしまうと人生終わってしまうかもしれないものです。
「もしもの時の備え」ですね。
逆に言えば、他の保険はそもそも「もしもの時」ですらないものばかりです。
また他の記事で、それぞれの民間保険については説明しますが、ここでは総論的に民間保険そのものが構造的に損するものだということを説明しました。
そもそも国が運営して利益を出さなくてもいい公的保険ですら、医療保険や年金保険は財源の問題があるわけです。
利益を出すことを目的としている民間の保険で、支払った保険料に見合う保障を受けられるわけがないですよね。
ぜひとも保険の見直しをお勧めします。
見直しというか、上記の3つ以外は入らないか、入っている場合は解約することをお勧めします。
めちゃくちゃ家計が楽になりますよ!!