【歯医者の裏側②】虫歯を取り切れる歯医者はほぼいない
歯医者で虫歯の治療を受けたら、当然虫歯は無くなると思いますよね。
虫歯を除去し終わってから詰め物をしたりするわけですから、虫歯は無くなっていると思うのは当然です。
そのように歯医者を信じている人にとっては、とても残念なお知らせです・・・・
常に虫歯を除去しきれる歯医者は、ほとんどいません。
残念ですが、これが現実です。
詳しく説明していきます。
虫歯治療の大半が再治療
実は虫歯治療の大半が再治療だと言われています。
明確な統計データがあるわけではありませんが、虫歯治療の8割程度が再治療だろうと言われています。
私も日々診療していますが、この8割という数字はしっくりくる数字です。
そもそも再治療とは、「以前治療した歯が、また虫歯になってしまって再度治療すること」を言います。
しかし実は、ここには大きな落とし穴があります・・・・
普通に考えれば再治療は、「以前虫歯の治療をした時には虫歯は無くなったけれど、また新たに虫歯になってしまったので治療する」ということですよね。
実際に一度も虫歯治療をしたことのない歯が虫歯になるリスクよりも、以前治療したことのある虫歯が再度虫歯になるリスクの方が圧倒的に高いです。
再治療をしなくてはならなくなる原因の一つであることは間違いありません。
しかし、再治療の原因はこれだけではないのです。
それは
「以前治療した時に虫歯を除去しきれておらず、残っていた虫歯が進行して大きくなって再度見つかった」
ということです。
おそらく多くの人は、「そんなことあるの?信じられない」と思われるのではないでしょうか。
気持ちはとてもわかりますが、虫歯の取り残しは珍しいことでも何でもないというのが現実です。
虫歯治療は難しい
患者の立場からしたら考えられないような虫歯の取り残しが日常的に起こってしまう理由の一つとして、「虫歯治療はとても難しい」ということがあります。
もちろん「難しいから虫歯を取り残すのは仕方がない」と言っているわけではありません。
プロとして虫歯を取り残すことは許されないことですが、事実として虫歯治療は非常に難しいのです。
そもそも虫歯治療は、痛いところだけを治せばいいというものではありません。
基本的には症状がなくても口の中の虫歯を全てチェックして患者に伝え、同意を得て治療する必要があります。
大まかには以下の流れになります。
患者の主訴を
聞く
→
レントゲンなど含め
口の中全体を
チェックする
→
全体を治療していく
(一般的には主訴から)
この流れの治療のところで虫歯の取り残しが起こるわけですが、実は問題はそこだけではありません。
チェックのところで、そもそも虫歯を見逃していることが本当に多いのです。
虫歯というのは直接目で見たりレントゲンで見たりしても、見えないものも多数あります。
発見自体もとても困難です。
そして発見して虫歯を除去しようとしても、どこまでが虫歯なのかという明確なラインはないのです。
最終的には各々の歯医者の感覚で判断する以外に術がないのです。
しかし正直言って、虫歯の発見や治療が難しいことを歯医者以外の人に説明することは不可能に近いのでこの辺にしておきます。
ただ、患者が思っている以上に虫歯の発見や治療は難しいものだということを認識していただければと思います。
そして最大の問題はこの先なのです。
最大の問題は、ほとんどの歯医者が虫歯の発見や治療が非常に難しいものだということを理解できていないということです。
基礎力の足りない歯医者だらけ
歯医者に限らずどんな仕事でも、最も大切なのは「基礎力」です。
「基礎力」がなければ、高いパフォーマンスを発揮することは不可能です。
逆に「基礎力」が高いレベルであれば、ほとんどのことはしっかりとこなすことができます。
スポーツで考えるとわかりやすいと思います。
例えばサッカーで、どんなにドリブルが上手くても体力がなくて走れなければ意味がありません。
基本であるトラップや止まったボールを狙ったところに蹴る技術がなければ意味がありません。
逆にたくさん走れてきっちりトラップができて精度高く蹴ることができれば、それだけで良い選手です。
基礎力は絶対不可欠な最重要の能力なのです。
歯医者にとっての虫歯治療における基礎力は
- ・虫歯を見逃すことなく発見する
- ・虫歯を取り残すことなく全て除去する
となります。
そして多くの歯医者は、これらの基礎力が低いのです。
基礎力が低いにも拘らず、基礎力向上のために必死に努力しているわけでもありません。
基礎力が低いこと自体を理解すらしていませんからね・・・・
要は基礎力が低いのに、自分はできていると勘違いしているわけです。
そしていかに難しいことをやってお金につなげるかということばかりに、執着しています。
若い歯医者たちに伝えたいこと
これまで説明してきたようなことを言っても、ある程度経験をつんできたような歯医者のほとんどには伝わりません。
となります。
自分ができていないと思っていない人たちばかりですから、当然と言えば当然です。
このような人たちには何を言っても無駄です。
でも歯医者になって間もないような経験の浅い若い歯医者たちは、まだまだ希望があります。
若い歯医者の人たちには間違えないでほしいです。
最も大切なのは基礎力です。
そして基礎力を高いレベルに持っていくのは、とても難しいです。
私自身も十分なレベルに達していると思ったことはありません。
だからこそ、もっと基礎力を上げるために自分に厳しくなり努力を怠ってはいけません。
何よりも、自分の基礎力が十分高いレベルにあると思いあがらないでください。
偉そうに説教してくる自信満々の先輩歯医者たちの多くは、言ってみれば雑魚です。
大したことのない基礎力しかありません。
本当に学ぶべき先輩歯医者は、自分自身の至らないことも晒してくれて、慢心せずに向上心を持ってレベルアップを常に目指している姿を見せてくれる人です。
若い歯医者の人たちは、基礎力こそが全てと言っても過言ではないということを忘れないでもらいたいです。
患者の皆さんに伝えたいこと
このような話をすると
「じゃあ虫歯とかになっても、歯医者に行かない方が良いわけ?」
を言われたりします。
確かにそう思われるかもしれませんが、悪くなってしまったところを放置することは最悪です。
悪くなってしまったら歯医者に行った方がベターです。
そして残念ながら、患者の皆さんには歯医者の基礎力などを見抜くことはできません。
「あそこの歯医者はうまい」
「あそこの歯医者はヤブ」
などと言っている人がよくいますが、見分けることは不可能です。
ですから、人として信頼できるかなどで選ぶしかないと思います。
それよりも患者の皆さんにとって最も大切なことは、悪くならないことです。
虫歯や歯周病にならないように日々の歯磨きを頑張ってください。
それこそが間違いなく自分の健康を守る最良の方法です。
自分の健康を守るのは自分しかいないということを忘れないでください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。