子どもから学びを奪う大人たち
<子どもの成長>
子どもは日々成長していきます。
- ・箸を使えるようになる
- ・字を読み書きできるようになる
- ・自転車に乗れるようになる
- ・逆上がりできるようになる
- ・計算ができるようになる
- などなど
子どもは数えきれない様々なことを学び成長して、出来るようになります。
このように成長して出来るようになるために、絶対に必要不可欠なことがあります。
それが「挑戦と失敗」です。
当たり前と言えば当たり前ですよね。
どのようなことでも、ある年齢になったら自動的にできるようになるわけではありません。
練習を繰り返すことで、できるようになります。
そして練習の繰り返しは、挑戦と失敗の繰り返しです。
例えば自転車の練習。
何度も何度も転んでしまいます。
それでもリトライし続けることで少しずつ感覚を学んでいき、だんだん乗れるようになっていきます。
そして最終的には自在に自転車に乗ることができるようになります。
転ぶという失敗を通して学んでいるのです。
もちろんこれは自転車に限らず、全てのことに当てはまります。
- 1.挑戦して失敗する
- 2.失敗という経験から学びを得る
- 3.得た学びを基に再度挑戦する
- 4.失敗する
このような一連の流れを繰り返しながら、子どもは少しずつ成長していきます。
そして成長を積み重ねることで、目標や成功に近づいていくのです。
つまり子どもの成長の源は「失敗→経験→学び→リトライ」の繰り返しにあります。
もちろん大人も同様ですね。
<子どもから学びを奪う大人たち>
子どもの成長に「失敗」は必要不可欠なものです。
しかし親や教師などの多くの大人は、子どもから失敗を奪ってしまっています。
日本の教育の多くは、「失敗しないこと」が重視されてしまっています。
リスクになりそうなものは禁止や制限をしたり、大人の考える正解に繋がるレールの上を歩かせようとするばかりです。
日本人の大好きな「安全第一」というやつです。
しかし子どもから「失敗」を奪うことは、「失敗→経験→学び→リトライ」のサイクルを停止させてしまいます。
結果として、子どもたちから学びや成長を奪っていることになります。
さらにはその過程で身につくはずの「自分で考える力」も奪ってしまうのです。
「なぜ失敗したのか」ということを考えることは、「自分で考える力」を養う上で非常に大切なことです。
安全を求めた結果は、学びや成長や考える力を奪うという安全からほど遠い結果です。
<大人が子どもにできること>
大人の子どもに対する役目は、失敗を奪って成長を奪うことでも、自分たちの根拠のない持論を押し付けることでもありません。
「失敗→経験→学び→リトライ」のサイクルを継続させて成長するチャンスを与え続けることです。
もちろん全ての失敗が子供のためになるわけではありません。
取り返しのつかないレベルのものからは、子どもたちを守らなくてはなりません。
- ・命に関わるようなことから子どもを守る
- ・子どもが挫折して立ち上がれないときには、手を差し伸べて手助けをする
- ・休息が必要な時に、いつでも休むことの出来る「帰れる場所」になる
つまり最後のところでしっかり守ることこそが大人の役目で、失敗させないようにすることではありません。
逆に言えば、大人のできることはそのくらいしかありません。
子どもは好奇心の塊です。
様々なことに勝手に挑戦して失敗して、そして学んで成長します。
大人は子どもを制限して失敗から遠ざけるのではなく、子どもの行動を見習って、失敗を恐れず挑戦するべきではないでしょうか。