医療は患者を健康にしない
医療とは、人間の健康を維持したり回復したりする行為のことを言います。
つまり簡単に言えば
- 健康に対してプラスになる行為
ですね。
但し、一般的には「医療=病院での治療」というように捉えられているでしょうから、ここではそのような定義で話を進めます。
多くの人は、当然ながら医療を受けることで健康にプラスになると考えているでしょうが、実はそれは大きな間違いかもしれません。
医療は健康にプラスにならないどころか、マイナスにすらなり得るものなのです。
にわかには信じられないでしょうが、現代の医療は大きく歪んでしまっているのです。
医者は健康について学ばない
医者などの医療従事者は、医療によって患者を健康にすることが役割のはずです。
しかし、なぜか医学部などにおいては、「健康」について全く学びません。「健康学」というものが存在しないのです。
また健康の基盤となるものは食事ですが、「栄養学」についても医学部などでは、ほんの少しだけ触れる程度です。
ですから
- ・健康とはどのようなことなのか
- ・健康でいるために、何が必要なのか
- ・健康を害している原因は何か
ということを知らない医者が多いのです。おかしな話ですよね。
患者を健康にするために医療を行う医者が、その健康とは何かを知らないわけです。
健康とは何かなどを知らないのに、患者を健康にできるはずもありません。
医者が学んでいるのは、病気のことばかりです。単なる老化現象ですら病気として捉えて、それを治療と称していじくりまわすことばかり勉強しています。
例えば高血圧なんかは、顕著です。
高血圧症
- 食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足などが原因で、最大血圧が140mmhg以上、または、最小血圧が90mmhg以上の場合を高血圧と診断されます。
本来、血圧が年齢と共に上昇するのは生理的な現象ですし、必要不可欠なことですから、むやみに下げるべきものではありません。
もし下げる必要があるのであれば、生活習慣などに原因があると考えられますから、それらを改善すれば良いのです。
生活習慣改善10ヵ条 | |
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【運動】適度な運動を毎日続けよう |
まずは今より10分多くからだを動かすことから始めましょう。1駅手前で降りて歩くなど、無理しない程度に毎日続けることが大切です。 |
【たばこ】今すぐ禁煙 |
たばこは癌をはじめ、健康にさまざまな悪影響をもたらします。禁煙のメリットを考え、1日も吸わない日を少しでも増やし、吸わない日を少しずつ増やしていってください。 |
【塩分】塩分は控えめに |
塩分は、1日男性7.5g未満、女性6.5g未満の摂取が適量とされています。ただし、すでに血圧が基準値より高めの方は1日6g未満を目標にしてください。 |
【脂質】油っぽい食事は避ける |
現代では、食生活の欧米化等により、脂質をとりすぎる傾向にあります。蒸す・煮るいった調理方法や、肉類は下ゆでや湯通しをするといった工夫を実施してみてください。 |
【魚をメインに】主菜は肉より魚 |
肉だけでなく、魚も立派なタンパク源です。また、魚中心の食事は動脈硬化を予防する効果があります。丸々1匹の調理は大変なので、切り身を利用するなどの工夫をし、毎日の食事に、魚料理を積極的に取り入れてください。 |
【野菜】野菜を1日350g以上 |
現代の日本人、特に若い世代で野菜不足が深刻化しています。野菜不足は便秘、肌荒れ、肩こりやイライラなど体にさまざまな不調をもたらします。カット野菜を利用するなどして野菜をたっぷりとりましょう。 |
【飲酒】お酒は適量を |
お酒の飲みすぎはさまざまな生活習慣病の原因となります。医学的には純アルコール量で1日20~25g程度とされており、ビールですと中瓶1本分が適量とされています。飲みすぎに注意し、週に1日はお酒を飲まない休肝日を設けましょう。 |
【歯】歯の健康は全ての健康 |
歯周病はメタボリックシンドロームと相互に影響し合いながら、互いを悪化させることがわかってきています。また、なんでもよく噛んで食べるためには、健康な歯は欠かせません。毎食後の歯磨きを欠かさずしてください。 |
【ストレス】ストレス解消 |
現代社会はストレス社会ともいわれ、半数以上の人がストレスを抱えています。ウォーキングやジョギングなどといった運動をしたり、休日はしっかりと休むなど、自分に合ったストレス解消法でストレスを抱え込まないようにしましょう。 |
【睡眠】十分な睡眠を |
睡眠不足は生活習慣病の発症リスクを高めます。現代の生活は夜型化しており、日本人の平均睡眠時間は50年前に比べると約1時間も短くなっているといわれています。質の高い眠りを心がけ、規則正しい生活をおくりましょう。 |
※全国健康保険協会より抜粋
それなのに医者は、ロボットのように「140超えたら投薬」とインプットされていて、ひたすらに投薬し続けて患者を薬漬けにするわけです。
もはや、健康を壊しているだけです。そのようなことが、日常茶飯事に行われています。
医者の目的は健康ではない
そのようなことからも、医者の目的はもはや患者の健康ではなく、病気を倒すことになってしまっています。
要は、医者は病気を診ているのであって、患者を診ていないわけです。
例えばがんの手術などで、がんを切除しきることが目的になっていて、その後のQOLは関係ないなんてこともあります。
QOLとは
-
QOLとはQuality Of Lifeの略称で、「生活の質」や「人生の質」などと訳され、人生の満足度をあらわす指標のひとつです。
医療業界では治療や療養・入院生活を送る患者さんの肉体や精神的なものから、社会・経済的なものも含めた全てを含めた生活の質を意味します。
そもそもがんになった原因などに対してのアプローチは、皆無なこともよくあるでしょう。
がんの原因は遺伝子異常というのが通説ですが、実際には代謝異常説などもあります。
仮に代謝異常説が正しければ、手術をしても抗がん剤治療をしても放射線治療をしても、無意味です。
無意味どころか、患者を苦しめるだけになります。
それなのに、医者の多くは代謝異常説についての検証などを全く行いません。
代謝異常説が正しければ、今までやってきた手術などが間違いだったということになり、そして自分の技術が無駄になりますからね。
医者は患者を治したいのではなく、病気を治したいのです。
さらにそれに拍車をかけているのが、「専門医制度」です。
ざっくりとした専門医制度
- 専門医とは「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義し、第三者機関「日本専門医機構」が専門医の認定とプログラムの評価・認定を行い、養成プログラムや研修施設基準の作成も行います。
今の医療は、どんどん専門が細分化され、患者をトータルで診れる医者が絶滅状態になっています。
医者は細分化された自分の分野のことだけしか考えず、それを治すことにのみ執着します。
基本領域の診療科
- 総合内科
- 外科
- 耳鼻咽喉科
- 麻酔科
- 形成外科
- 小児科
- 整形外科
- 泌尿器科
- 病理
- リハビリテーション科
- 皮膚科
- 産婦人科
- 脳神経外科
- 臨床検査
- 精神科
- 眼科
- 放射線科
- 救急科
- 総合診療科
サブスペシャリティ領域
- 消化器
- 腎臓
- 消化器外科
- 小児神経
- 放射線治療
- 循環器
- 肝臓
- 呼吸器外科
- 小児血液
- 放射線診断
- 呼吸器
- アレルギー
- 心臓血管外科
- がん
- 手外科
- 血液
- 感染症
- 小児外科
- 周産期
- 脊椎脊髄外科
- 内分泌代謝
- 老年病
- リウマチ
- 婦人科腫瘍
- 集中治療
- 糖尿病
- 神経内科
- 小児循環器
- 生殖医療
その結果、自分の分野以外のところに悪影響が出ても関係ないわけです。
そのようなことをどの分野の医者もやるわけですから、患者の状態が悪くなったとしても、何が原因かわからなくなっていきます。
要するに専門医制度は、医者が患者の健康に責任を負う必要が無くなる制度でもあるのです。
医療が無くなると患者は健康になる
このようなことばかり行われていますから、当然医療は患者を健康になんてできません。
むしろ健康を壊します。
それを顕著に示した例が2つあります。
夕張市の医療崩壊
1つ目は、夕張市の医療崩壊です。夕張市は、2007年に財政再建団体に指定され、事実上の財政破綻をしました。
夕張市の財政が破綻したことにより、夕張市の医療も大きな変化を余儀なくされました。
夕張市の基幹病院で合った「夕張市立総合病院」が閉院したのです。いわゆる医療崩壊です。
その結果、病床数は1/10程度になり、医師の数も減少しただけでなく専門医はいなくなってしまいました。
病床数 | |
---|---|
夕張市の財政破綻前 |
171床 |
夕張市の財政破綻後 |
19床 |
※医療法では病床数が20以上を「病院」、19以下を「診療所」としています。そのため、病院がなくなり、診療所になりました。
最終的にはCTやMRIも無くなり、高度な処置や手術も出来なくなり、夕張市内に救急車を受け入れられる病院が無くなったのです。
夕張市民は、高度な医療を受けることが出来なくなったわけです。
このような状態になり、夕張市民の健康はどうなったかと言えば
- 病死が減り、老衰が増える
ということが起こりました。
大まかに言えば病気が減って、夕張市市民は健康になったのです。
死亡者数(平均) | 死亡率 | |
---|---|---|
夕張市の財政破綻前(H15~H19) |
217.4人 |
男性123.8 |
女性105.2 |
||
夕張市の財政破綻後(H20~H24) |
218.6人 |
男性115.1 |
女性110.9 |
※厚生労働省人口動態・保健社会統計課による人口動態調査、人口動態統計、厚生労働省人口動態特殊報告、人口動態保健所・市区町村別統計によるSMRより
これは、危機感から夕張市民自身が健康に気を付けたという面もあるでしょうし、医療自体が健康に寄与していたわけではないという面もあります。
1970年代のイスラエル
2つ目の例は、1970年代のイスラエルで起こったことです。
1970年代に、イスラエル全土で病院がストをした結果、イスラエルの死亡率が半減したのです。
患者数 | 死亡率 | |
---|---|---|
ストライキ前 |
約65000人 |
50%減 |
ストライキ後 |
約7000人 |
ストをした側としたら、自分たちが不要な存在だと証明したも同然ですね。
このように、医療が無くなると患者が健康になる例が存在するのです。
まとめ
- ・医者は、健康とは何かを学んでいない
- ・医者は患者を診ているのではなく、病気を診ている
- ・医療が無くなると、患者が健康になる
医者は、人間の持つ最高の力である「自然治癒力」についても、まともに学んでおらず知りません。
そもそも西洋医学は、生活習慣病のような慢性疾患に対しては無力に近いのは、原理を考えればすぐわかります。
西洋医学とは
- 西洋医学は科学的・局所的・理論的に患者の状態を分析し、体の悪い部分に直接アプローチし、投薬や手術といった方法で原因を取り除いて治療していく医学のことです。
健康を得て維持するための原則は、免疫力や自己修復力といった自己治癒力を最大限に活かすことです。
医療行為などは、その手助けをするにすぎません。
そのことをまるで理解していない医者が多いのが現状です。
※ただし、全ての医者がそうだというわけではありません。
健康を患者に提供してくれる素晴らしい医者もたくさんいます。
しかし、残念ながら割合としてはそのような医者はごく少数です。