コロナ対策の代償【サプライチェーンの混乱】
コロナ対策として、無意味な政策を各国が乱発した結果、様々な悪影響が出ています。その一つが、「サプライチェーンの混乱」です。
サプライチェーンとは
- 商品や製品が消費者の手元に届くまでの、原材料の調達・製造・在庫管理・配送・販売・消費という一連の流れのこと
と言います。供給の一連の流れのことです。
私たちが普段目にしたり購入したりするモノやサービスが、私たちのところまで届くまでには、様々な工程を経ています。この流れが正常に機能していなければ、私たちはモノやサービスを手に入れて利用することはできません。
そして現在、このサプライチェーンが上手く機能していないのです。
半導体などが不足しているのは聞いたことがあるのではないでしょうか。マクドナルドのポテトが、一時的にSサイズしかなくなったのも、サプライチェーンの機能不全によるものです。
また実際に私の仕事においても、様々な製品が在庫切れで入荷できなくなったりしているため、サプライチェーンが上手く機能していないのを実感します。
需要と供給
経済は、需要と供給のバランスで成り立っています。需要が無いものには供給しても仕方ありませんし、需要が増加しているものに対しては供給も増加させる必要があります。
当たり前ですが、供給というのは需要があってこそ意味があります。需要が減っているものに対して、それまでと同じように供給を続ければ当然赤字になってしまい、企業などの経営は成り立たなくなります。
ですから、需要が減っているものに対しては、事業規模を縮小したり廃止したりすることで供給も縮小させます。誰も求めていないモノやサービスを提供し続けても、意味ありませんからね。
つまり
- 供給量は、需要量に左右される
ということです。
これは、逆は基本的に先進国などでは成り立ちません。需要が供給を決めるのであって、供給が需要を決めるのではないのです。
(※ただし、材料や技術などにおいて、供給を作り出せることが前提です。ですから、先進国などにおいてはこのことは成り立ちますが、社会インフラなどを含めて未成熟の国においては、成り立たないこともあります。)
コロナ対策による供給の破壊
新型コロナ感染対策として、世界中でロックダウンなど様々な措置が取られました。日本においても、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置や、自粛する圧力など様々なことが行われてきました。
そのようなことを行えば、一部の業種を除いて、基本的に人々の消費は減少します。消費は需要ですから、世界的にコロナ対策によって需要が減少したわけです。言ってみれば、人為的に需要を減少させたのです。
需要が減少すれば、供給も減少します。生産ラインをストップしたり、人員を削減したりして、事業を縮小せざるを得ません。
つまり
- コロナ対策により、世の中の供給能力は衰退した
ということです。
このことは、補助金などによって止められるものではありません。もちろん補助金や給付金などはなくてはなりませんが、だからといって供給の減少が無くなるわけではないですからね。
供給はすぐには戻らない
コロナ対策によってダメージを受けた供給能力ですが、最大の問題は
- 供給能力はすぐに戻るわけではない
ということです。
一旦失った供給能力は、経済を再開すると決めたからと言って、需要に合わせて瞬時に戻るわけではありません。
供給を減少させる場合は
- ・人員を削減する
- ・店舗を潰す、閉める
- ・工場をストップする、閉鎖する
などのように、事業を縮小していきます。これらを再開しようとしても、一旦閉鎖してしまったものは動きません。新しくまた作るにしても、莫大な資本がかかります。
維持費を払い続けて一時的に閉めていただけにしても、再開するには人員確保から始める必要があります。人員確保にも、コストがかかります。
また、いつまた需要が減少するかもしれませんから、以前のように仕入れることは難しいでしょう。
つまり
- 供給の拡大には時間がかかる
ということです。あくまでも需要次第ですから、経済の状況を見極めながら供給を増やしていかざるを得ないのです。
コロナ対策によって失われた供給能力は、需要が戻り始めても急に戻りません。サプライチェーンの中のどこかで供給能力の欠如があれば、サプライチェーンは正常に機能できません。
まとめ
- ・コロナ対策の影響で、サプライチェーンに混乱が生じている
- ・コロナ対策によって、世の中の供給能力はダメージを受けた
- ・供給能力は、すぐに回復するわけではない
現在のサプライチェーンの混乱は、当たり前の結果です。無意味に経済を止めるということは、供給能力を壊すことであり、それは社会全体の資産を壊すことでもあります。
経済は好きな時に止めて、好きな時に動かせるようなものではありません。いかにスムーズに動かし続けるかが、重要なのです。