ロシアのウクライナ侵攻は対岸の火事ではない

社会
ロシアのウクライナ侵攻は対岸の火事ではない

2022年2月24日に、以前から危惧されていたことが、ついに起こってしまいました。
ロシアのウクライナ侵攻です。戦争が始まってしまったのです。

日本にとっては、対岸の火事のように思っている人が多いようですが、全くそんなことはありません。ウクライナ侵攻は、日本の未来に大きく関わることです。

というよりは

  • 日本も危ない

ということすら、大いにあり得るのです。 では、なぜ遠く離れた地の戦争が日本の未来に大きく関わるのか、説明していきます。

ロシアとウクライナ

ロシアとウクライナ

まず、ざっくり背景を説明します。

ウクライナは旧ソビエト連邦(ソ連)に属していましたが、1991年のソ連崩壊の時に独立した国家です。地理的には、ロシアとヨーロッパの間に位置し、大まかに言えば東側が新ロシアで西側が新欧米となっています。

ウクライナの位置

現時点のウクライナ政権は、新欧米です。ウクライナをめぐるロシアと欧米の対立は、NATOの在り方に起因しています。

NATOとは北大西洋条約機構といい、アメリカ主導の欧米などの西側諸国の軍事同盟のことです。NATOの加盟国は、ソ連崩壊時の1991年には16か国だったのに対して、現在は30か国に増えています。

1991年 2022年
16か国 30か国

旧ソ連の勢力圏だった東欧諸国が、次々と加盟したのです。
ロシアのプーチン大統領は、こうしたNATOの東方拡大に不信感を募らせ、東方拡大をやめることを度々要求していました。ロシアにとっては、NATOは敵であり脅威ですからね。

しかし、ウクライナもNATOに加盟する動きが強まってきていたため、ロシアはそれを何とかして防ごうとしているのです。隣接するウクライナにまでNATOに加盟されては、喉元に刃を突きつけられた状態になってしまいますからね。

つまり、今回のロシアのウクライナ侵攻の目的は

  • ウクライナのNATO加盟阻止

なのです。

そのためには、ウクライナを占領するというよりも

  • ウクライナの政権を親ロシア派に変えて、ロシアの傘下にする

というものだと考えられます。

逆に言えば、そこまでいくまではロシアは止まる理由がないとも言えます。

世界はウクライナを見捨てた

世界はウクライナを見捨てた

このような背景があり、欧米諸国はロシアを総じて非難していますが、NATOはウクライナに派兵しないことを明言しています。要は、助けないということです。

このことは、今回の戦争においての大きな事実です。ウクライナは、ソ連が崩壊した1991年には世界第3位規模の核保有国でした。

しかし、欧米などが推し進める非核化によって、1994年に核を放棄しています。この時に署名しているのが、「ブタペスト覚書」というものです。
これは、ソ連の崩壊に伴い独立したウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンと、核保有国であるアメリカ・ロシア・イギリスが署名した政治協定書です。

ブタペスト覚書の概要は

  • ウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンの独立と主権と既存の国境を尊重する

というようなものです。

要するに

  • 核を放棄すれば、国の安全は保障するよ

というようなものですね。

ただし、「侵攻されたら必ず守る」というような文言があるわけではありません。そのあたりが、ウクライナなどからしたら、上手く扱われてしまった感が否めないですよね。
さらには、署名したロシアが進行していますからね。

しかし、ウクライナが核を保有していれば、今回の侵攻は無かったでしょう。核を放棄させて軍縮をさせて丸腰にさせたのにも拘らず、世界はウクライナを見捨てたのです。

このことは

  • 核保有国同士で戦うことはできない

ということを明確にしたとも言えます。

ただし、核だけの問題というわけでもありません。アメリカは、アフガン撤退の記憶が新しいことなど問題もあります。

ドイツをはじめとするEUは、天然ガスの大部分をロシアに頼っているという現状もあります。NATOが派兵しないというのは、そのような様々な要因も絡み合っています。

結局は、損得勘定ですね。当たり前といえば、当たり前ですが。

核を持つ者と持たざる者との格差

核を持つ者と持たざる者との格差

今回のウクライナ侵攻で明確になったことは

  • ・核保有国同士で戦争はできない
  • ・核を持つ国は、核を持たない国に対して侵攻できる

ということです。

わかっていたことではありますが、実際に明確になった感じですね。つまり、核保有国に核非保有国が攻められた場合、誰も助けてはくれない可能性が十分にあるということです。
絶対的格差が生じてしまっているわけです。

もちろん、核の撃ち合いの戦争などは、絶対にあってはなりません。そのような戦争が起こってしまえば、人類は滅ぶしかないのですから。

しかし、核の格差の問題は非常に深刻です。
当然ながら、日本は核非保有国です。言ってみれば、日本は蹂躙されうる立場だということです。

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戦争を避けるために、話し合いでは無意味なことくらい、いい加減分かったのではないでしょうか。現状、戦争から国を守るためには、核を保有するしかないのかもしれません。

次は日本

次は日本

ウクライナの侵攻が成功してしまい、ウクライナがロシア傘下になったら、今後どうなるかということが問題です。

核保有国が自国の領土だと言い張っている所に侵攻しても、世界はそれを止められない可能性が高いわけです。
そうなると、次に狙われるのは当然ながら

  • ・台湾
  • ・北方領土
  • ・尖閣諸島

あたりでしょう。

日本は、中国やロシアに侵略されていくのです。今現在でも、日本は内部から中国に侵略されていますが。

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日本が日本ではなくなってしまう日も、そう遠くはないかもしれません。日本にとって、今回のウクライナ侵攻は「明日は我が身」なのです。

まとめ

まとめ
  • ・世界はウクライナを見捨てた
  • ・核保有国と核非保有国の間には、大きな格差がある
  • ・ウクライナの次は、台湾や日本

日本人は、危機感が全くありません。話し合いで戦争を避けられるくらいなら、とっくに戦争は無くなっているでしょう。
「軍隊を持つべきではない」と主張する人たちは、ウクライナのように侵攻された場合、どうするつもりなのでしょうか。

戦後にアメリカから押し付けられた憲法9条を日本人の魂かのように勘違いしている人たちが多いですが、頭がお花畑過ぎます。
日本の周囲には、北朝鮮・中国・ロシアがいます。非常にリスクの高い場所に、日本は位置しているのです。

戦争は、双方の合意のもとで始まるわけではありません。太平洋戦争を見ても、それは明らかです。

いくら戦争をしたくなくても、戦争をせざるを得ない状況に追い込まれてしまうこともあるのです。
正しい歴史を習っていない日本人は、日本がアメリカに吹っ掛けた戦争だと思っている人が多いでしょうが・・・・

日本が今後生き残っていくためには

  • ・憲法9条改正
  • ・軍事費拡大

は、どう考えても必要不可欠です。

核を保有することすら、考えなくてはならないかもしれません。現実的には難しいでしょうが。

戦争を避けるための手段は、相手と同等かそれ以上の戦力を持つ以外にないのは明らかです。戦争をしないために、戦争できる力が必要なのです。