【歯医者の裏側⑦】生活保護の闇
例外的な場合を除けば、日本ではお金がなくて生きていけなくなることは基本的にありません。
様々な理由はありますが、最大の理由は「生活保護」の存在です。
生活保護を簡単に言うと
- 自力では経済的に生活できない人に対して、国や自治体が援助する制度
です。
つまり日本人の最終的な
セーフティーネットですね
このセーフティーネットが必要不可欠であることは間違いありません。生活保護によって救われる命もたくさんあります。
しかしその反面、生活保護には闇があるのも事実です。特に医療分野においては闇が非常に深いのです。
生活保護支給額
生活保護支給額は住んでいる地域などによっても異なりますが、大まかな目安は以下の通りです。
月額 | |
---|---|
単身者 | 10~13万円 |
夫婦二人世帯 | 15~18万円 |
母子家庭 | 19万円程度 |
子どもがいる4人家族 | 30万円近く |
一つの基準としては、夫婦での年金受給額の平均が20万円くらいです。そう考えると夫婦二人世帯で15~18万円ですから、贅沢をしなければやっていける金額と言ってよさそうですね。
ただし生活保護の恩恵は、この金額だけではないのです。
生活保護受給者は、医療費は無料なのです。
病院で治療受けてもタダ??
そうです、保険内の診療であればタダなのです。この医療費を考えると、年金受給額に比べて生活保護の方が優遇されているとも言えそうです。
生活保護受給者の医療
日本全体で1年に生活保護に使われるお金は、約4兆円です。もちろん税金などで賄われています。その4兆円のうち、なんと半分の約2兆円が医療費なのです。
つまり大まかに言えば、生活保護受給者は支給額と同等の医療費を使っているということになります。
人によって差はありますが、平均的に考えた場合はそのようになるわけです。生活保護支給額から考えると、一人当たり月に10万円近い医療費を使っていると考えられます。
2020年の生活保護受給者数は約200万人です。
2兆円 ÷ 200万人 = 100万円
大まかには一人平均年間100万円ほどの医療費を使っていることになります。
比較対象として、日本全体の年齢別医療費の平均は以下の通りです。
40~64歳 | 25.5万円 |
---|---|
65~74歳 | 55.7万円 |
75歳以上 | 92.1万円 |
2020年度
これらの数字もかなり高いと感じますが、生活保護受給者の平均が75歳以上と同等かそれ以上であることは異常ともいえるのではないでしょうか。
確かに生活保護受給者は病気やケガなどをしている場合が多いため、医療費は高くなりがちです。
しかしそれでもこの金額はあまりに高すぎます。
生活保護受給者の傾向
生活保護受給者の医療費問題について議論すると、必ず生活保護受給者の非常識さの話が出ます。
例えば生活保護受給者が
「どうせタダだから、入れ歯作ってほしい。今のでも問題ないけど、色々な歯医者行っていれば作ってもらってコレクションしてるから。」
というようなふざけたことを言ってくることは、確かにあります。
しかしこのようなふざけたことを言ってくるのは、何も生活保護受給者だけではありません。非常識で礼儀もないような患者は、どの層にも一定数います。(医療従事者の中にも非常識で礼儀のない人はいますね。)
生活保護受給者の中に非常識で礼儀のない人も確かにいますが、ほとんどの人はそうではありません。
中には
「自分は生活保護だから、申し訳なくて治療に通いづらい」
というような人もいます。
生活保護受給者だから非常識で礼儀もない、というように決めつけることは絶対にしてはなりません。
彼らの人間性が劣っているということは、決してないのです。しかし生活保護受給者の医療費が異常に高いのも事実です。
その理由として日々の臨床の中で感じることは、「病院への依存」です。
「セルフケアへの意識の低さ」とも言えます。
なんかあったら病院行けばいいや
こんな感じですね。
そもそも日本人は病院大好きの病院依存民族ですが、その中でも生活保護受給者の病院依存は突出していると感じます。もちろんどんな病気やケガなのかにもよりますが、多くの病気やケガは病院に通っても根本的に改善するわけではありません。
病院に通っても健康は得られないのです。
日々の生活の見直しなどによるセルフケアの向上こそが、健康に繋がります。生活保護受給者の傾向として、そのようなことへの意識が非常に低いと感じます。
自己負担0が病院依存を加速させる
生活保護受給者のセルフケアなどへの意識が低い原因は様々あるでしょう。
しかしその中でも最大の原因は「自己負担0」だと思います。医療費がタダってやつですね。
これは生活保護受給者ばかりが、自己負担0だから医療にたかっているというわけではありません。
生活保護受給者でなくても、自己負担0であれば多くの人が同じようになります。
ちょっと違うけど
救急車も無料だよね
そうなんです、日本は世界でも唯一の救急車完全無料の国です。
その結果、軽症にも拘らず救急車を呼んだり、タクシー代わりに救急車を使う人が未だに多くいます。地域や年齢にもよりますが、子どもの医療費も同様です。
自己負担がないと全体的に自助努力は減ってしまい、依存を生んでしまう傾向にあります。多少なりとも自己負担を課すことは、トータルで見れば医療費の削減だけでなく健康にも繋がるはずです。
でも自己負担ありにしたら
困る人もでてくるんじゃないか?
もちろんその通りです。
例えば自分ではどうしようもない状態の人には、自己負担0も必要でしょう。
しかし生活習慣病のように、はっきり言ってしまえば自己責任の病気などに対しては自己負担を課すべきです。多少の犠牲を払うことにはなるでしょうが、日本が病院依存から脱却できないのは医療が安価で手軽で便利すぎるからなのです。
その結果が現在の依存や甘えに繋がっているのではないでしょうか。守ってもらう権利が充実しすぎたせいで、自分で自分を守る努力をするという義務をおざなりにしてしまっているのではないでしょうか。
本当に必要なことは何なのかを考える必要があると、強く感じます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。